◆聖者
人間で歴史に名を残すような偉業をなした者は、後世の人々から聖者として信仰の対象とされている。聖者の中には御使いを上回る人気がある者も存在している。
▼ムルザ
ムルザは民をカナンの地へ導いた民族の英雄である。ムルザが御使いから受けたとされる言葉は、「円環教」としてカナン中の人々の思想の根幹をなしている。
▼トビア
トビアは今から600年ほど前の人間である。彼は元々高貴な生まれの者であったが、禍つ森の瘴気に苦しむ人々の惨状を目の当たりにし、彼らの力になろうと決心した。そして、数十年の間辺境に住まい人々を癒し続けたが、自らも瘴気の病に冒されてしまい森の一部となってしまったのであった。しかし、トビアの努力によって瘴気の対処法などが確立され、現在の辺境民の大きな助けとなっている。このような偉業から人々から聖者として崇められている。
トビアの象徴するものは医術であり、そのシンボルは彼が苗床となった禍つ樹の枝である。
▼ブラガム
ムルザが亡き後百年間は、ムルザの後継者――すなわちカナンの支配者を巡る争いが続き、各地で有力者が乱立した。
その中で、ムルザの教えをないがしろにした者が圧制者トルサイダスであった。彼の支配地域では、悪徳とテルースへの冒涜に満ち、モーティムへの信仰が強制された。
このような状況下でテルースの教えを説き続けたのが、僧ブラガムであった。
やがてブラガムとその弟子達はトルサイダスにとらえられ拷問を受けた。拷問の中で弟子達は次々に転向するか命を落としていったが、ブラガム一人だけは光を失いながらもテルースの教えを守り続けたと言われている。
結局トルサイダスは、その後カナンを統一することになるゼファラム王国に破れてしまう。ブラガムは解放されゼファラム王国の庇護の下で、ムルザの後継者としてムルザの教えを編纂していった。この教えは「円環教」としてカナンの人々の思想のよりどころになっている。
ブラガムは信念の象徴であるとともに、盲人の守護聖者としても崇められている。
▼イスカンダール
獅子心王イスカンダールは禍つ森がゼファラム王国を飲み込んだ後の数十年間の暗黒時代を終わらせた男である。
イスカンダールの出自は謎に包まれているが、彼の率いた軍団は勇猛、博愛、献身をモットーに掲げ、禍つ者や圧制者の恐怖から人々を解放した。その後、イスカンダールは新生ゼファラム王国を築きあげた。イスカンダールの死後王国は七つに分かれるが、今なおカナンに影響を与えている。
イスカンダールは探索者の守護聖者として崇められている。彼は何度も禍つ森に探索隊を派遣し、貴重な遺物や技術の復活に成功したからである。またその勇猛さから戦士や騎士の守護聖人ともされている。