まとめと修正など。
基本的に神話と歴史はリンクしておりその違いはあまりない。神が登場するか否かというのはあるが。
ではこの世界、神様はソードワールドチックにいるのか? 結果をいうと「いない」である、絶無である。人類は地球と同じようなプロセスを経て人間へと進化していったのであろう。
しかし、御使いに値する人物は存在した。彼女は昨今はやりのTRPGに言うところの絶対悪に位置づけられる。人間を自身の目的のための駒としか思ってない存在である。その目的を語る前に、まず当該御使いの真の姿を説明せねばなるまい。
かつてカナンの地は御使いの種族「天人(仮)」が繁栄していた。しかし戦によって世界は滅び、カナンのマナは枯渇してしまう。天人は人間よりもマナに依存する度合いが大きかったため、たちまちのうちに天人は滅亡の危機に立たされる。
そこで、天人達は他の世界からの植民者をこの地に引き入れて世界をマナで満たししかるのちに、その植民者を放逐して再び世界を天人達の物といようと考えて、工作員を各世界に送り込んだ。
つまり、この御使いは世界各地に散った天人達の一人なのである。なお、他の天人は人類が未踏の地域(天空や地中)にシェルターを作り冬眠中である。
で、人間はこの地に降りたって千年以上経ってはいるが、この御使いまだ生存しており、天人の世界とするために人間達を陰で操っている。人間の中にもこの御使いの考え(あるいは欲)に賛同し、協力をしているギルドも存在している。そのギルドの名前は光の導き手という。光の導き手は数多くの子ギルドを抱え、本体の存在は秘匿されている。しかし、カナンにおける人類の歩みの陰に常に光の導き手の存在があった、例えば、禍つ森の発生もその一つであったりする。
あと聖者ムルザも光の導き手の工作員の一人で、現在も存命である。光の導き手には、人々の魂(余命な)を他人の物とする技術が確立されている。この技術によって得られる命はカナンの国々の為政者達にとって大いに魅力的である。そのため、光の導き手に協力する国も少なくない。また、この魂を得るのにもっとも効率的な方法は戦争である。光の導き手は魂を得るために戦争をもコントロールしているのである。あなおそろしや……。
本来ならこういういわゆる裏設定は公式キャンペーンなんかで貸すのが手なんだろうが、どーせそういうのする機会もないしだったらどんどん公開しちゃおうというわけだ。
我ながらこの絶対悪ながら、邪神とかじゃなく目的がはっきりしている組織は非常に特徴的なんじゃないかと思っている。ダブルクロスとかニルヴァーナとは違ってね。
◆カナン(旧称カルティーナ)の神話
特徴
カナンの神話の特徴としては、カナンの民は同じ世界観を持つ一民族が異世界から来訪してきたという点にある。そのため、カナンに来訪して千年以上の年月が流れており、各地域によって若干の差異はあるものの、根幹の部分は共通している。その根幹の部分とは、天空神である男神カエラムと地母神である女神テルースという二柱の創造神の存在である。
創世神話
かつて世界は混沌としていたが、やがて陰と陽の二つの気に分かれ、陽の気からはカエラム、陰の気からはテルースが生まれた。カエラムが生まれると天が現れ、テルースが生まれると大地が現れた。
二柱の神は夫婦となりテルースは多くの子供を産み出した。最初に産み出されたのが、御使いと呼ばれる創造神に近い力を持つ者達であった。御使い達はカエラムとテルースの命令によって天と大地を形成させていった。天には雲や空が生じ大地に向かって雨が降るようになった。大地にたまった雨からは草木が生まれ、やがて山や川となっていった。
次に御使いは、世界を整備する、言わば園丁とも言うべき存在を作り出した。それが動物や、動物達を管理する人間であった。
竜の陰謀
人間は御使い達の命令に素直に従い、世界はますますその規模を大きくしていった。しかしこの状況を快く思わない者がいた。それは御使いのうちの一柱、破壊を司る竜であった。竜は原初の世界において大地をうがち海や山を作り出す役目を担っていたが、世界の枠が形成されてしまってからはその存在意義を無くしてしまっていたのである。
竜は世界の枠を再び壊すために、御使いや人間達に不和の種をまき始めた。人間達を操り人間同士の戦争を起こさせて、それぞれの人間を作った御使い達同士を争わせようとしたのである。果たしてそのもくろみは成功し、御使いと人間達は二手に分かれて戦争を始めた。これを竜の災厄と言う。
約束の大地
竜の災厄によって世界は荒廃し、多くの御使いや人間や動物達のほとんども死に絶えてしまった。カエラムはこの様子を嘆き世界を無に返そうとした。しかしテルースは自身の子供達を殺し尽くすのは忍びないので、一人の御使いに命じて心の清らかな人間達を安息の地へ誘うことにした。
その役目を担ったのは預言者ムルザである。預言者ムルザは瞑想の最中に御使いの声を聞き、何艘もの飛空挺を造り出し、そこへ人間や動物達をつれて、御使いの導く約束の大地へと旅だったのであった。
旅路は厳しいものであったが、数年の月日を経て新しい大地にたどり着くことができた。それが現在のカナンである。カナンとは約束の大地という意味を表す。カナンは一面を砂と岩で覆われた過酷な大地であったが、人々はテルースに感謝した。こうして人類は新たな一歩を踏み出したのであった。
◆カナンの歴史
人々がこの砂漠の大地カナンに降りたって千数百年の年月が経った。その間、禍つ森の発生や戦争によって神話と歴史は乖離してしまっている。以下ではそれまでの人類の歩みを神話との相違を主として記していく。
竜戦争
かつてカナンではない別の大地にて大きな戦争があった。その戦争は竜という怪物を用いて行われたため「竜戦争」と呼ばれている。竜とは具体的にどのような生物かは分かってはいないが、現在のカナン生息している竜はその竜戦争の際の竜に準えて名付けられたと言われている。
新しい大地
長きにわたった戦争は天が割れ、大地が裂けるほどのすさまじいものであった。世界は終わりに至るかと思われたが、ようやく集結することになった。戦争に敗れた者達は、迫害を逃れるために、自らの信奉する神テルースの御使いと預言者の導きにより新しい大地に移り住んだ。この新しい大地が現在のカナンである。つまり、神話にいうカナンの民は選ばれた民なのではなく、エクソダスを行った民の子孫なのである。
曙の時代
カナンは一面を砂漠に覆われた厳しい自然環境だった。しかし彼らは元々高度な文明を有していたので、ムルザの指導の下カナンに点在するオアシスを拠点に次第に繁栄していった。工作機械で灌漑用水路を張り巡らせて農業を興し、飢えなくすことに成功した。ムルザは大変長命でムルザの国は百年もの間繁栄し続けた。
黄昏の時代
しかし人間達の繁栄も限界が訪れる。オアシスのもたらす水だけでは、人間達を賄いきれなくなったのである。時を同じくしてムルザは亡くなってしまう。今まではムルザの指導の下で一枚岩だった国は各オアシスの水や、ムルザ教えの解釈を巡って、オアシス同士で争うようになっていった。各オアシスの有力者はそれぞれがムルザの後継者を名乗り互いに戦を繰り返すようになった。
ムルザの後継を巡る戦争は十年もの間続いたが、ある有力オアシスの下統一された。この統一された国をゼファラム王国という。ゼファラム王国はムルザの教えをまとめ上げ、円環教という宗教を興した。円環教はカナンの人々の思想や行動の拠り所として現在でも受け継がれている。
十年続いた戦乱の傷もようやく癒えようとした時期、国内で水の問題は大きな問題であった。水を巡ってオアシス同士が争うことは絶えず、王はしばしば調停を行わなければならなかった。このような事態を解決するために王国である一大事業を試みることになった。それは人工の生態系を創り出すことによって世界をマナで満たしカナンの厳しい自然環境を劇的に変化させようというものであった。
なお、マナとは生物の中に存在する霊的エネルギーのことである。あらゆる生物はマナを有しており、そのマナを消費させることで、生体活動を営んでいる。そして生体活動を通じて、さらに世界中に広がる。世界中に広がったマナは、自然環境をはじめとする様々な事象に影響を及ぼすことになる。マナの影響で自然環境が生物にとって住みやすいものと変化すればより生体活動は活発となり、相乗的にマナの密度は増加していくことになるのである。
さて、十年以上の月日を要し、多くの学者や技術者が携わった壮大な事業であったが、結果は悲惨なものであった。誕生した森は人々の思惑を外れ、瘴気を撒き散らす災厄となって人々に襲い掛かったのであった。これが現在の禍つ森の誕生である。禍つ森の誕生によって、ゼファラム王国の首都である、カルティーナ最大のオアシス都市ゼファラムが、たった一晩で森に飲み込まれて消えてしまったと言われている。
世界の変化は禍つ森の誕生だけではなかった。カナンに存在していた生物達で、禍つ森に飲み込まれていった者達のほとんどは、瘴気の影響で命を落としていったが、一部の者達は生きながらえ、禍つ森の内部で短期間に独自の進化を遂げて行き禍つ森の生態系の一部を形成していった。これが現在の禍つ者である。
暗黒の時代
こうして、禍つ森の誕生で、世界の環境は激変した。世界の大部分は残された人間達にあだをなす禍つ森となってしまったのである。数多くのオアシス都市は禍つ森に飲み込まれ、吸収されていった。都市を飲み込んだ禍つ森はますますその規模を拡大していった。人々は森から逃れるために、より環境の厳しい辺境地帯へと追いやられていくことになった。後の記録によれば、禍つ森に飲み込まれて命を落とした者の数よりも、残された寸土を巡る人間同士の争いによって命を落とす者の方が多かったと記されている。
第二の夜明け
獅子心王イスカンダールは、禍つ森がゼファラム王国を飲み込んだ後の数十年間の暗黒時代を終わらせた男である。イスカンダールの出自は謎に包まれているが、彼の率いた軍団は勇猛、博愛、献身をモットーに掲げ、禍つ者や圧制者の恐怖から人々を解放した。その後、イスカンダールは新生ゼファラム王国を築きあげた。イスカンダールの死後王国は七つに分かれたが、今なおカナンに影響を与えている。
約束の大地
禍つ森が発生してから千年もの月日が流れた。禍つ森に脅かされながらも人類は滅びることはなく、逆に森からの資源を恵みとして利用してしたたかに生き続けている。この長い暗黒時代の中で、人々の間ではいつしか、禍つ森の内部には瘴気に侵されていない清浄が大地があるのだとまことしやかに言われるようになった。
この清浄の地こそが神が与えてくれた大地こそが約束の大地「カナン」に他ならないと人々は考える。禍つ森から得られる資源とともに、この約束の大地の探索こそが、人々を森へと駆り立てる原動力となっているのである。
◆カナンの宗教
カナンの宗教でもっとも有名なのはゼファラム王国が興した円環教である。円環教は天空神カエラムと地母神テルースの二柱の創造神を中心としており、人類の生みの親であるテルースと人類を滅ぼそうとする天空神との対立を軸に成り立っている。それぞれ二柱の神には神の使いである御使いが存在いる。御使いはかつての竜の災厄によってそのほとんどが死に絶えてしまったとされるが、テルースの慈悲により復活したり、死んでなかったとされる御使いは二柱の神への信仰と同じように信仰の対象になっている。
テミナス
テミナスは生命が生まれ死にそして新たな生命へと生まれ変わるという、死と再生のプロセスを監督する役割を担った、死神の役割を果たす御使い達である。そのプロセスに従わない存在に対して、彼女は剣でもって従わせた後、その魂を冥界に運び去ることから、彼女達の背中には翼がはえていると考えられている。
テミナスは竜の災厄において、どの陣営にも加わることなく任務を遂行していった。彼女達の職務はたとえ相手が御使いといえども、公正かつ厳格に遂行された。そのため、カナンにおいては死神としての側面よりも、公正性や掟の守護者としての信仰を集めている。カナンにおける掟は主に水に関するものがほとんどである。掟を破ることは共同体全体の死活問題に関わるので、時には死を以て購わせるような厳正な執行が求められるのである。
モーティム
灼熱の太陽や炎を象徴する御使いである。灼熱の太陽は大地を焦がし理不尽に生命を奪い去る。そのためモーティムは、大地から理不尽に生命を奪い尽くす存在として、人間を巡ってテルースと争うカエラムと同一視される。
モーティムによって奪われた生命は、死と再生のプロセスから切り離される。すなわちその魂は灼熱の太陽によって焼き払われ、無に帰するのである。
アクアム
雨や水を象徴する御使いである。カエラムの命により天から雨を降らせる役目を担っているが、カナンではカエラムに背いて雨を降らせようとしたが、モーティムによって殺され、天から大地へと突き落とされたとされている。そのため、カナンでは雨はほとんど降らず、大地にわずかながらアクアムの残骸が地下水として残っているのである。
一方でアクアムはテルースの慈悲によって一年のうちのわずかの日だけ復活することが許されていると言われる。それがカナンに雨が降る日なのである。
◆聖者
人間で歴史に名を残すような偉業をなした者は、後世の人々から聖者として信仰の対象とされている。聖者の中には御使いを上回る人気がある者も存在している。
ムルザ
ムルザは民をカナンの地へ導いた民族の英雄である。ムルザが御使いから受けたとされる言葉は、「円環教」としてカナン中の人々の思想の根幹をなしている。
トビア
トビアは今から600年ほど前の人間である。彼は元々高貴な生まれの者であったが、禍つ森の瘴気に苦しむ人々の惨状を目の当たりにし、彼らの力になろうと決心した。そして、数十年の間辺境に住まい人々を癒し続けたが、自らも瘴気の病に冒されてしまい森の一部となってしまったのであった。しかし、トビアの努力によって瘴気の対処法などが確立され、現在の辺境民の大きな助けとなっている。このような偉業から人々から聖者として崇められている。
トビアの象徴する者は医術であり、そのシンボルは彼が苗床となった禍つ樹の枝である。
ブラガム
ムルザが亡き後百年間は、ムルザの後継者――すなわちカナンの支配者を巡る争いが続き、各地で有力者が乱立した。
その中で、ムルザの教えをないがしろにした者が圧制者トルサイダスであった。彼の支配地域では、悪徳とテルースへの冒涜に満ち、モーティムへの信仰が強制された。
このような状況下でテルースの教えを説き続けたのが、僧ブラガムであった。
やがてブラガムとその弟子達はトルサイダスにとらえられ拷問を受けた。拷問の中で弟子達は次々に転向するか命を落としていったが、ブラガム一人だけは光を失いながらもテルースの教えを守り続けたと言われている。
結局トルサイダスは、その後カナンを統一することになるゼファラム王国に破れてしまう。ブラガムは解放されゼファラム王国の庇護の下で、ムルザの後継者としてムルザの教えを編纂していった。この教えは「円環教」としてカナンの人々の思想のよりどころになっている。
ブラガムは信念の象徴であるとともに、盲人の守護聖者としても崇められている。
イスカンダール
獅子心王イスカンダールは禍つ森がゼファラム王国を飲み込んだ後の数十年間の暗黒時代を終わらせた男である。
イスカンダールの出自は謎に包まれているが、彼の率いた軍団は勇猛、博愛、献身をモットーに掲げ、禍つ者や圧制者の恐怖から人々を解放した。その後、イスカンダールは新生ゼファラム王国を築きあげた。イスカンダールの死後王国は七つに分かれるが、今なおカナンに影響を与えている。
イスカンダールは探索者の守護聖者として崇められている。彼は何度も禍つ森に探索隊を派遣し、貴重な遺物や技術の復活に成功したからである。またその勇猛さから戦士や騎士の守護聖人ともされている。